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2013年3月

靴磨きジョセフ 7

 その以前、ナイロビの南東のカンバ族の暮ら
す地域にあるマチャコスという町の郊外の農家
でホームステイをしたことがあった。二泊三日
の最初の夕方、その家の長男である同年代の男
とその妹である長女と一緒の散歩中に、「俺の
妹はどうだ?」といきなり訊かれた。何のこと
かと思った。
 ちょうど陽が傾きだして急速に辺りが薄暗く
なってゆく時間で、「俺が見張っててやるから
トウモロコシ畑の中で可愛がってやってくれ」
と言うのだ!あのときは兄が妹を斡旋したのだ
が、今度は兄不在の中で妹が直接迫ってくるか
もしれない。性にオープンなアフリカでは、そ
れくらいのことはいくらでもありうる。しかも
職の機会を探して田舎を出てきた女がスラムで
ブラブラしているとなれば、小遣い稼ぎに身を
売っているとしても何ら不思議ではないし、彼
女にとっては特別に恥じることでもないのだ。

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靴磨きジョセフ 6

 さてその妹だが、訊くと24歳というがどう
みても30歳くらいにしか見えないのだ。まあ
アフリカの女ならば既婚未婚を問わず24歳で
二人くらいの子持ちはザラだし、男も女も実年
齢よりも老けて見えるのは当たり前のことだか
ら不思議ではない。そして事実その妹は一児の
母で、実家の母親に子供を預けて、美容師にな
りたいと兄を頼って都に来たのだ。
 そうはいっても専門学校に行く資金も無く、
機会があればどこかの美容院の助手の職にでも
就いて実地で覚えようという魂胆らしい。とこ
ろがそうした思惑を持って地方から出てきた者
で溢れかえっている首都ナイロビに、そうした
人達を掬いあげるような雇用機会は極僅かしか
ないのが現状なのだった。
 同じように都会に憧れて出てきた同郷の娘も
加わって4畳半に3人が暮らし、特にすること
も無くブラブラと毎日を過ごしながら靴磨きの
兄ジョセフに寄生しているらしい。
 話を聞きながら、私はちょっと不安になって
きていた。

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