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靴磨きジョセフ 2

 キクユ族というのはケニアの中央部、高原地
帯を中心に農耕民として勢力を伸ばし、現在は
国政や商業をリードする人達だ。ケニアの人々
の間ではキクユ商人は吝嗇の代名詞のような扱
い方をされることが多く、商売のためなら法に
背いたり少々荒っぽいやり方でも手段を選ばな
い…と思われている。そうした例は後々耳にし
目にすることになるのだが、とにかく商売人と
して成功している人達の多くがこのキクユの人
達であることは間違いない。
 
さて、タクシーに乗る場合などでもこうした

取引ではまず料金交渉しておくのが通例であり
肝要だということは判っていたが、その時私は
敢て事前に料金交渉をしないまま成り行きに任
せてみる事にした。
 その時履いていたのは赤茶けた土埃にまみれ
たビニール皮革の白いスニーカーだった。まず
は水に濡らしたボロ布で埃を拭いながら「これ
は日本製かね。造りが違うねぇ。ほら、ちょっ

と拭っただけでピカピカだ。」ときた。
 次に「これはね、柔らかくする薬」と、何や
ら薄青い液体の入った小瓶を取り出して降りか
け、その後でワックスを塗って拭きあげていっ
た。所要時間は10分位。その間彼は喋ること
止めることはなく、私の目的であるスワヒリ

会話の練習にはもってこいだった。
 話の中で、彼がナイロビ近郊のキアムブとい
う村の農家出身であること、今はナイロビ最大
級のスラムを擁するキベラ地区に部屋を借りて
妹と同じ村から出てきた妹の友達の女性と3
で暮らしているということが分かった。
 キベラならば私が寮生活を送る地区からさほ
ど遠くは無い。何度か靴を磨いてもらって馴染
みになれば訪ねることも出来ると期待した。

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