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靴磨きジョセフ 3

 10分ほどでジョセフが靴を磨き終わり、次は
さて値段の交渉だ。幾らだい?と訊くと、何と
200シリングと吹っ掛けてきた。おいおいそれ
は幾らなんでもボリ過ぎだろう。当時、役所で
働く下級官吏の月給から換算すると一日分の給
料に匹敵する。大笑いすると、奴も悪びれる事
なく一緒になって笑っている。ちょっと口に出
してみただけなのだ。アフリカ人ならではの対
応のし方ではある。
 相場は一回510シリングであることは調べ
がついているのだが、ちょっと奮発してこう切

りだした。―よし、じゃあ今日は50シリング
払ってあげるから後3回はタダでやってくれ―

 こうしてそれから街へ出る度にジョセフの前
に立って話をするようになった。サンダル履き
のことが多かったので靴を磨いて貰うような事
はあまり無かったが、もとよりスワヒリ語の実
践レッスン料のつもりだ。
 そうこうして馴染みになったところで、いよ
いよお宅訪問をやってみることにした。
 ジョセフが暮らすキべラという地区は職を求
めて地方から出てきた人達が出身地や部族ごと
に寄り集まって暮らすスラムの典型で、周囲数
キロのなかに不法建築のバラックが立ち並ぶ。

当時既に数万人の人口を抱えていたが、今では
数十万と言う単位に膨れあがっている。
 広大なキべラのなかで、教えられたキアンダ
と呼ばれる一画を目指した。

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