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2012年1月

裏通りの落ち着くcafé

  散歩でよく通る道沿いに“大地の恵”と看板が出て

いる所があって、どうも自然食材を売っている事務所の

ような感じで、いつも通り過ぎていた。だいたいあまり

人影を見かけないのでやってないんじゃないかとも思っ

ていた。それほどに閑散とした田舎の裏道なのだ。

  そして最近まで気がつかなかったが、その建物の端は

なにやら蔦の絡まる一角で、ガラスドアと広い窓がある。

どうも食べ物屋らしい。入り口に表記があるわけではな

いが、腰の高さの折り畳み看板が申し訳のように置いて

あった。Carolina Café、レストラン&喫茶だ。でもその

日は開いていなかった。

 家に帰って母親に聞くと、20年ほど前に出来たそうで、

アメリカ人の夫とその妻がやっている筈だという。妻の

父親は元役場勤めだった人で、退職後にそこで自然食材

の販売を始め、建物の一画を使って娘夫妻がレストラン・

カフェを開いたとのこと。開店当時は混血の幼い男の子

がいたけど、もう立派な大人になっているだろうと懐か

しんだ。開店当初は近所の人と何度か食事に行ったらし

いが、今もやっているとは知らなかったという。

 ということで、行ってみたら開いていた。金曜の午後

3時過ぎで客は居ない。カウンターから中年女性が出て

きた。

 コーヒーとチーズケーキのセットを頼む。白木の椅子

とテーブルがアメリカの片田舎のような雰囲気で、夫は

きっと北か南かキャロライナ州のどこか出身なのだろう。

ビリーホリディの唄声が適量のボリュームで流れる店内

はなんだか落ち着く。金曜と土曜の昼間しか開けていな

いとのことで、商売としては成り立たないのだろうが、

楽しみながらやっているのだろう。そんな生き方をする

には、このあたりは満更悪い所ではない。

 アメリカ人の夫は街道沿いで英会話教室を開いていた

らしいが、いつの間にか無くなっている。そんなことを

しようとしても、このあたりでは成り立たないというの

も現実ではある。

Carolina_cafe

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Blacks in Brazil補足

 前の投稿はアメリカのテレビ番組の紹介だった。

1時間弱あるし字幕がないのでちゃんと最後まで見る人

は少ないかと思うので、内容紹介と私の感想など。

 教育的なドキュメンタリーなどを手掛けているPBS

いうプロダクションが制作したBlack in Latin America

という4部シリーズのなかの一作でブラジル黒人の歴史

と現状を探るもの。他の3作はメキシコ&ペルー、キュ

ーバ、ハイチ&ドミニカというラインナップになってい

るが、まだブラジル以外の3作は見ていないので、いず

れ紹介しようと思う。

 監修とプレゼンターのHenry Louis Gates Jr.はハ―

バード大などで教鞭をとるアフリカン・アメリカン文化

研究者で、研究テーマのメディア・プロデューサーなど

もやっているらしい。彼がラテンアメリカ各地を訪ねて

各国の実情を探るというのがこのシリーズ。

 紹介したブラジルを巡る回のサブタイトルはA Racial

Paradise? となっていて、一般的には人種差別が無いと

言われるブラジルだが果たして?というスタンスで様々

な土地と人を訪ねている。

 雑婚が進み、混血の度合いによって幾つもの呼び方が

あるというブラジルでは、一見民族的・人種的偏見は溶

融してしまっているように映る。ゲーツは古くから開け

たアマゾンの都市に暮らす人々の意見を聴き、歴史家に

アフリカ系人種の拡散と奴隷解放の経緯を聞き、奴隷た

ちが産みだしたカポエイラのなりたちを知り、アフリカ

起源とされる民間信仰カンドンブレの教会でミサに立ち

会う。ブラジルでの人種解放運動の創始者の子孫の話に

耳を傾け、リオのファベイラ“シティ・オブ・ゴッド”

に暮らし続ける人気ラッパーを訪ねる。

 どの場面も誰の言葉も興味深く、次第にブラジル社会

の裏側が浮き上がるのだが、結論的に言うと現実的には

現在のブラジルにも様々な場面で色々な形の偏見も差別

も存在する。

 要約すれば単純になってしまうが、映像の素晴らしい

ところは見ている自分もゲーツと一緒に同時進行で各所

を訪ねて見聞を深めてゆくことができるという点で、

引き込まれるように見ているうちに終わってしまって

いた。

 笑えもしない“お笑い”と時間潰しの“バラエティ”

ばかりが横行する昨今のテレビなど見ないで、こうい

うものを見るべきだ。知ることは良いことだ。

Black in Latin America”は全シリーズをPBSHP

で全編視聴できる。

http://www.pbs.org/wnet/black-in-latin-america/

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Blacks in Brazil

翻訳家くぼたのぞみ さんのHPで紹介されていた

興味深い番組

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セザリア・エヴォラを聴きながら

  音楽に啓発されながら文章を書くことが多い。少し前は

もっぱら坂本龍一の“Beauty”を聴きながら書いていた。

その坂本も共演したのが“裸足のディーヴァ”“アフリカ

のビリー・ホリディ”など呼ばれたカボ・ヴェルデ出身の

ファド歌手セザリア・エヴォラだ。

何回か来日したこともあってワールドミュージック系が好

きな人には知られる存在だ。残念なことに昨年1217

に亡くなっていた事をつい最近知った。

  昨日、街に出る用事があったのでいつも足を運ぶCD店

へ行くと『遥かなるサン・ヴィセンテ』を見つけ、迷わず

買った。このところ執りかかっている文章の執筆に欠かせ

ない予感がしていた。

 昨年末、構想を練って20年ほど少しづつ書き綴って

きたアフリカを舞台にした小説を完結させて或る文学賞

に応募した。その流れで、今また別の習作を完成させる

ための執筆をしていて、それも舞台はアフリカだ。

  裏ブログで綴っているアフリカ紀行同様、アフリカを

ネタにする話は尽きることがない。

  セザリアの唄を聴いていると、いろんな出来事や人物

が思い浮かびイマジネーションが刺激されて筆が進む。

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蜘蛛に思う

  去年6月から暮らすようになった熊本。実家とはいえ

それまで継続して住んだことはない。というのも、私は

生まれも育ちも福岡で、熊本は母親の生家がある田舎で

しかなかったからだ。親戚が居るので子どもの頃から夏

休みの度に訪ね長逗留を重ねたから懐かしい土地ではあ

るが、幼馴染や学友がいるわけでなく故郷とは言い難い。

父親が引退した後、畑仕事がやりたいからと親戚の多い

土地で野菜作りを始めたのが今の実家だ。

 暮らしたことがなかったから分からなかったが、この

あたりには蜘蛛が多いことに気がついた。それは私の家

周辺だけでなく一帯に広く目につくことだ。熊本は農業

国だからだろうし、県内の他市町村や他県の地方でも農

業地帯には共通して言えることなのだろうと思う。

 家のある市は県庁所在地からバスで1時間くらいの田

園・畑作地帯で昆虫が多い。そこで蜘蛛も多いのだろう。

とにかく家と庭木や生け垣の間など至る所に蜘蛛が大き

な網を張っていて、邪魔になるから取ってもまた翌日に

はできていたりする。

Photo

 その多くは女郎蜘蛛と呼ばれる種類で、大きなものは

足の端から端まで10センチは優にある。良く見ると長

い足に赤黄が交互に繰り返す模様があるし、腹部には赤

い線も混じって美しいと言えないこともない。蜘蛛は害

虫を捕食するから益虫ではあるし、まあいいかと放って

おくと家の周りは蜘蛛の網に絡められている。

 しかし田舎生活というものは暮らしやすいようであり

ながら微妙な気遣いを要するものだ。それとなくどこか

から見られているので、都会暮らしのように匿名の群れ

に紛れて好きな事にかまけたりすればいつの間にか噂に

なっていたりもするようだ。

蜘蛛というものは、なんだか田舎生活の象徴のようで

はある。 

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