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2011年10月

海洋天堂

 中国の映画はあまり見ないが、現代劇でテーマが世界

のどこにも通じるものだということ。ジェット・リーが

脚本に惚れ込んでノーギャラで参加し好演しているとい

うことで見てみた。

  若くして妻を亡くした水族館で働く父親と自閉症の息

子の話だ。父親は末期の肝臓癌に罹り余命短い。成人し

た息子は一人で生活する能力が無い。身寄りも無い息子

に、自分が居なくなるまでに生きてゆく術を身に付けさ

せようと八方手を尽くす父親だが…

  非常にオーソドックスでケレン味のない映画だ。アク

ションで名を馳せたジェット・リーも、実は演技派らし

く、抑えた表情で淡々と父親を演じている。自閉症児の

息子役も難しい役柄をサラリとこなし、脇役も達者な人

選でしっかり固められている。出てくるのは良い人ばか

りで、誰もがこうなるだろうなと思う通りにストーリー

が展開する。

 こういうのを一服の清涼と言うのだろう。何もツッコ

ミを入れることなく話を受け入れてしまえばいい。

 今、政治や社会の流れを見ると一言なにか言っておき

たくなることだらけで、そういえばこんなに素直に話の

世界に身を浸すことは少ない。

 監督は元テレビの教育番組を手掛けてきたという女性

ディレクターで、チェン・カイコー監督の「北京バイオ

リン」などの他に幾つもの脚本を担当しているそうだ。

  撮影はウォン・カーワイ監督作を数多く手がけてきた

オーストラリア出身のクリストファー・ドイル。さらに

音楽は日本の久石 譲。舞台は青島で、なんだか中国臭

さがしないなあと思っていたら制作は香港のインディ系

制作会社なのだった。

 映画館の近日上映作は「ワンヴォイス―ハワイの心を

歌にのせて」「黄色い星の子供たち」未来を生きる君た

ちへ」「エンディングノート」などが続いている。

 世界が今何を探しているのか?ひとつの方向性に思い

至る。

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欺瞞の国の未来

 福島県産の米が全て出荷可能となったらしい。それは

政府が適当に決めた放射性セシウムの暫定基準値、玄米

1キロあたり500ベクレルを下回ったからだという。

だいたい、この基準値そのものが安全性を保証する数字

じゃない。訪日中のベラルーシの研究機関(チェルノブ

イリ原発事故後の住民対策に携わってきた)ベルラド

放射能安全研究所が指摘したが、日本政府が設定してい

る放射性物質の基準値は全てにおいて甘すぎる。

 例えばベラルーシでは水1キログラムあたりの放射性

セシウムの基準値は10ベクレルだが、日本は200だ。

 470ベクレルが測定された米もあったが、調査研究用

として県が買い上げるという。知事は安全性が確保され

たとコメントしたそうだが、福島県の米農家は安堵した

のだろうか?テレビのニュースでは「風評被害が怖い」

という農民の声が紹介されていたが…

 はっきり言う、私はこれから基本的には福島県産の米

は食べない。これは風評被害ではない、基準値も測定方

法も公表のし方も信用しかねるからだ。

  それは米農家のためでもあると思う。一時的になんと

か生活は続けられる?かもしれないが、数十年後に

「あのとき福島の米を食べたばかりに…」ということに

なれば自責の念に駆られるのは生産者だ。

 肉牛の例もあったが、事は米だけでなくあらゆる農産

物や畜産品などに及ぶ。政府と東電は全量を買い取るべ

きだろう。

 18歳未満の子どもの甲状線検査が始まった。しかし事

が起きるのは子どもだけに限った事ではない。環境省は

除染の基本方針を決定したという。これも廃棄物の処理

や具体的な方途も無いままに、数字と予定だけを述べ上

げた只のゴタクに過ぎない。

 なんという欺瞞!

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