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クラブに行って

 息子がクラブのイベントにラップパフォーマンスで出

るということで久しぶりに足を運んでみた。

イベント開始は深夜過ぎなのでなるべく遅く来るように

と言われていたので11時過ぎに着くよう家を出た。

そういえば一時ナイロビのナイトクラブ(ディスコ風の

バー)に入り浸っていた頃、活況を呈する時間に合わせ

るためにそんな時間にお出かけしていた。そんな若かり

し時代のことを思い出す。

所は麻布十番。地下2階にある入り口は飾り気の無い

倉庫のようなドアで、中から重いビートが響いてくる。

天井が高くて暗い、水族館の水槽の底に紛れ込んだよう

な中にあまり多く無い人数の若者たちが蠢いている。

内層が現代的なだけで、昔のディスコとそれほど変わり

はない。とにかく音がでかい。DJが客を煽るのは昔な

がら。入った時のDJはレゲエ野郎で、流している曲は

良く知った昔の曲が多い。かつてのディスコとあまり変

わり映えしないようだ。

とりあえずカウンターでビールを立ち飲みをしていると

息子がきて友人やイベントMCやらを紹介してくれた。

キャップをあみだに被り腰パンのだぶついたジーンズ姿。

いわゆるヒップホップスタイルで、ちょいバッドボーイ

ズという見てくれ。しかしみんな優しい若者たちだ。

DJが変わりレゲエから打ち込みのビートを利かせた音

楽が続くようになり、1時を過ぎる頃になるといつの間

にかフロアは人で一杯になっていた。

 イベントが始まったのは2時前だった。歌い手や踊り

手、ラッパーなどが10組ほど入れ替わり立ち替わり出

てきてMCの音頭で盛り上がる。

ここ数年、息子はそうしたイベントにグループや個人で

時にはMCでも出ているらしい。実際にやっている姿を

見るのは初めてだった。はっきり言ってあまりパッとし

ない。アフリカ人とのハーフだという見た目のアドバン

テージに負けてるぜ。

 それはそれとして、クラブのイベントというのがどう

いうものなのか、やっと分かった。

交通費にも事欠くような懐具合でもイベントだと言って

は出かけてゆく息子に、ギャラとまではいかなくても

せめて交通費くらい出すように要求しろよ、と意見して

いたけれど、その世界の事を何も分かっていなかった。

制約なしに自分を表現したい…売り込みたいと、個人や

グループで活動している連中が発表できる場が、あんな

イベントというものだったのだ。

オーガナイザーであるMCは、実力のある人材発掘の力

を磨く。一般の客だけを当てにしていたのでは立ち行か

ないクラブ経営者は、そうしたイベントによって集客を

増やそうということだ。

正規の入場料を払って入る客は少ないのだそうで、ドリ

ンクの売り上げで何とかやっていこうというのが実情な

のだという。そのためには色々なタレントを集めて趣向

を凝らしたイベントを仕掛け続ける必要があるのだろう。

このご時世では、なるべく資金を抑えながらお互いの利

益になるようにやっているということなのだ。

 たまには夜中に出かけてみるものだ。社会勉強になる。

なんて思いながら始発電車を待って帰宅した。ひと眠り

して遅い昼食のために近所の回転寿司屋に行った。

まさかそこで、経験したことのない大地震が首都をも揺

るがせようとは思ってもいなかった。

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