« 2010年11月 | トップページ | 2011年1月 »

2010年12月

天龍菜館

 最近は横浜、関内あたりに出向く用事があって、昼食時には
近くの中華街をうろつく機会が多い。そんな折はメインストリ
ートを外れた裏道や、中華街の端のほうのうらぶれた食堂を中
心に嗅覚を働かせる。だいいちメインの通りにある店はどこも
料金が高い。昼飯はワンコインが私の基準だ。
 中華街の外れ、というか中華街とは呼べないような場所に、
非常にうらびれた店を見つけた。天龍菜館と看板が出ていた。
およそ料理屋とは感じられないアルミサッシのガラス引き戸。
入り口前にはあまり奇麗ではないテーブルクロスを掛けた台。
持ち帰り弁当と肉まんが無造作に並んでいる。
Photo_3 広東専門家郷料理と書いてあって、ワンコインランチ500円
という手書きの貼紙もある。
一斉に人出のあるランチタイムだというのに店内には一人の
客の姿も無い。いいじゃないか。
 ガラス戸を引いて入ると、奥に一人ポツンと座っていた痩
せた青年が力なく立ち上がった。中国人だ。
ランチは5種類あった。麻婆豆腐丼、ワンタンスープと焼き
メシのセット、鶏肉とキクラゲ炒め、黒酢酢豚、五目ウマ煮。
酢豚を頼んでみた。
8畳程度の広さの殺風景な店に安物のテーブルが5つしかな
い。椅子もパイプ椅子で5人、4人、4人、2人、2人で17人
が入れば満席になる。そして何よりも気になるのは厨房らし
いスペースが無いことだ。
注文を受けた青年はハイと応えると小部屋のようになった所
に引っ込んだ。その奥に厨房があるようには見えないし、他
には人の気配が全く無い。するとジーという音がした。
どうも厨房用エレベーターがあって階上で調理するようだ。
間口の狭い建物は2階建てだったような気がする。狭さを補
うために、上で調理して下で出すのだろう。
 待たせられるかな、と思ったら意外と速く料理は出てきた。
量は丁度良く、卵スープに大根とニンジンの漬け物も付いて
いる。味も悪くは無い。しかし豚肉にしては堅い。少々揚げ
過ぎ。タマネギが殆ど生で辛い辛い。でも良いじゃないか。
何となく本場モノの感じがする。こんな店を探していたのだ。
でもどうして客が居ないのだ。食べ終わるまでの30分ほどの
間に、結局他に客は入って来なかった。
安普請でうらびれているだけで不潔な感じもしないし、壁の
メニューを見ると一品料理はかなりの数の品数をこなすよう
だ。これは通ってみる価値がありそうだ。
Photo_4  表に出ると隣との境に掲示板があった。広東出身のおじい
さん料理人が一人でやっている店で、やっぱり上(3階建て
の3階)で調理しているのだそうだ。なにかの雑誌で「この
レストランはすごい 2004」の横浜中華街ランキング2位と
紹介されたとのこと。
 帰宅してネットで調べてみると1年程前に多少小ぎれいに
なったそうで、今はオヤジさん本人が料理していないことが
多いとの事。以前は入るのを躊躇うほど小汚かったけど、味
は最高だったらしい。
まあ、とりあえずワンコインランチ全制覇をやってみるか。

|

NHKの陰謀

 「竜馬伝」が終わったら今度は「坂の上の雲」ときたか。
NHKという組織は恐い。愛と義の武将、直江兼続で友愛の鳩山
にエールを送ろうというメッセージを発信しようとしたのか、
それとも、茶化してもいいんだよ、でもやっぱり自民党だよね
…とでも伝えたかったのか?
民放に比べると強大な大衆操作力を持つのがNHKであるという
ことは、当のNHKがいちばん分かっている事だ。特にこの国の
人口比上、最も層の厚い高年齢層への影響力は群を抜く。
基本的にあの公共放送局は、長年の馴れ合いと政治的プレッシ
ャーのせいで、時の政権与党というよりも国民の意識上の与党
である自民党に顔を向けてきた。それは大同小異で民放各局に
も共通して言えることではある。
はっきり言って、政権交代時も今も、民主党を十全の信頼を持
って真の与党だと認めているマスコミは無いだろう。当初から
民主党政権が長続きするものではないということは、皆がうす
うす思ってきたことなのだ。
いずれにしても鳩君は豆鉄砲を食らって尻尾を巻いたが、その
後の大河ドラマに変革の使者、竜馬をNHKが持ってくるとは思
いもつかなかった。
「もっと真剣にやろうよ」と国民にハッパをかけようとしたの
だろうかとも考えられるが、「坂の上の雲」と続くと、何やら
キナ臭いのだ。
原作者である司馬遼太郎の意向や意志はさて置いて、NHKが視
聴者国民へ発しているものは決してニュートラルなものではな
い。逆に偏った国家意識やパワーゲームを誘発しそうな危険さ
えある。だいたい、坂本竜馬という人物についても、私は未だ
に彼がどのような貢献をしたのか分からない。どうして盲目的
な人気を集めているのかも分からない。
江戸時代から明治時代への移行が、日本にとって大変な大改革
だったということは理解出来るし、そこに幾多の人物の働きが
あったということも分かる。しかし、あの時期の歴史に学ぶ事
があるとするならば、一個人の貢献や業績を賛美することには
無いだろう。何かベクトルがずれている感が否めない。
 中国や北朝鮮の動きとかアメリカの混迷といった動きの中で、
また世界は「イクサ」でガラガラポンのリセットという流れに
向かいつつあるような気がしてならない。
そして、そんな世界の逼塞した雰囲気をうやむやにして、観念
上のヒーロー待望感を大衆の意識に刷り込むような役割を密か
に担っているのが「竜馬伝」〜「坂の上の雲」という流れでは
ないか…と思ってしまうのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年11月 | トップページ | 2011年1月 »