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Herbie Hancock "THE IMAGINE PROJECT" 

 CDショップのHMV渋谷店が閉店したとのこと。
ちなみにHMVはHis Master's Voiceの略称だ。あの、蓄音機
の前で耳を傾けるフォックス・テリア犬(名前はニッパー)の
姿で知られる歴史ある英国企業だ。その日本法人の第一号店が
渋谷店だったということだ。
HMVは全国展開の規模を少しずつ縮小してきていて、新聞など
では近年のネット販売の影響によるCD販売不況が原因だと分析
しているようだ。
或る意味ではそうなのだろうが、ちょっと違うのでは?と思う。
というのも、主に若い人たちに利用されているネットからのダ
ウンロードは曲単位の販売で、一過性の流行に左右されるファ
ッションの一部のようなポピュラー音楽に関してだけ当てはま
るものだと思うからだ。
私を含めて年季のはいった音楽愛好家は、音楽家のトータルな
表現形態としてのアルバムにこそCD(言わずと知れた、元々は
LPレコード)の存在意義があるのだと信じている。
そんなCDとの出会いの場としてCD店が必要なのだ。単なる商
品のやり取りをする商店ではない。これは書店と書籍の関係に
もあてはまるだろう。
 というわけで、渋谷店ではない或るHMVに立ち寄ったとき、
jazzコーナーの新譜で目を惹いた一枚があった。
Ip
Herbie Hancockの "THE IMAGINE PROJECT" 
おおっ!ハービー健在なり。視聴するとピアノが溌溂としてい
て怜悧なタッチは以前と変わらない。今年で70歳になる。
アルバムタイトルで分かるように、取り上げている曲にはロッ
クの名曲が並び、いずれもボーカルが入ったクロスオーバー的
な音作りになっている。競演にはジャズ畑よりもロックやR&B
(最近の日本で言うスタイリッシュなものではない真性のリズム
&ブルース)そしてラップにカントリー畑の人たち。そしてア
フリカやブラジル、インドなど世界各地の音楽家やグループが
参加している。
「このアルバムは世界の様々な国で、国際的な音楽家により
複数の言語で録音された。それは世界規模の協調が、尊い平和
を切り開く力と美を示すということを知らしめるためだ」と
彼自身の言葉で記されている。齢を重ねてなお進化し続ける
ハービーなのだ。
 もし私があのHMVに立ち寄る事がなかったら、こんな素晴
らしい音楽との出会いが生まれなかったことは確かだ。

 

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