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2010年5月

レア・ウィスキー

 久しぶりに自転車で近所を回った。よく通る裏道に、古い酒屋
がある。多分ほとんど商いは成り立っていないと思われる。
おもてに並ぶ数台の飲料品の自販機だけが休まず稼働しているだ
けで、店が開いているのを見かけた事は殆ど無い。
跡継ぎも無いのだろう、たまに見かける老女がポツンと続けてい
るようなので、前を通る度にいつ閉めてしまうのか…と気になっ
ている。
いつも大抵シャッターが降りているのだが、何年か前に見かけた
時、僅かな商品が並ぶ棚に懐かしいホワイト・ウィスキーの瓶を
見かけたことを思い出した。
果たして今日は店が開いていた。棚はよく見えない。幸いに店頭
に人影がある。入ってみた。
 無愛想なお婆ちゃんが「いらっしゃい」らしい言葉をモゴモゴ
言いながら私を一瞥する。
不審者に思われないように、こちらからコンニチワと声を掛けて
棚を見ると、まだあった。三楽オーシャンのホワイト・シップ。
ウィスキー一級とラベルにある。いまや清酒もウィスキーも等級
分けはないから、そこにも時代が出ている。
White_ship_2 確か学生の頃、一度買って飲んだ記憶がある。1970年代中頃の
ことだから、多分、今はもう生産されていないはずだ。
値段を聞くと1000円だというので買ってみた。よく覚えていな
いけど、以前は700円程度だったのではないだろうか?
 持ち帰ってネットで調べてみた。やはり、現在のメルシャン
に社名変更したのが1990年、その前に三楽と改名したのが
1985年。三楽オーシャンという社名はそれ以前のものだという。
ということは25年以上前のもので、出荷後ずっと瓶の中で寝か
されていたことになる。25年もののウィスキー!
誰かのブログによると2007年に六本木のショットバーで見かけ
て飲んだら、一杯950円だったそうだ。
確か辛口で、あまり美味しかったと言う記憶は無い。ラベルに
canadian typeと記してあって、琥珀色のウィスキーを或る
方法で濾過することで無色透明にしたものだそうだ。
 さてさて封を切ってみた。固かった。
あ、この香りだ。スピリッツに近いけど、ジンやウヲッカとは
違ってウィスキーらしさはある。でも、長年寝ていたわりには
丸くなっていないんじゃないか?まあ元が元だし、コルク栓の
ワインじゃないし、やっぱりウィスキーを寝かせるのは瓶の中
じゃなくて樽の中の方がいい。
ちびちびと時代を舐めるのも、たまにはいい。

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失業2年生

 去年の4月から失業して、もう1年以上。ということで、この
4月から2年生になってしまった。
去年は失業保険を延長してもらってなんとか生き延びた。11月
から今年3月の間は、昔のつながりで偶然に仕事が湧いて出たの
でなんとか凌いだ。この1年1カ月の間に毎月幾つもの求人に応
募して、尽く刎ねられた。
別に高望みをしているとは思わない。できるだけ常雇いの社員が
希望ではあるが時給制のバイトでも構わない。でも業界を除いて
一般的に通用する経験や資格のない私に当てはまる職種が少ない
し、何でもやろうと思ってこちらが経験を無視して応募しても、
55歳という年齢が中途半端なのだ。
一般的な定年年齢まで5年しかない男を今、社員として雇おうと
いう企業は無い。私が採用担当だったらそんな男を雇おうとは思
わないから当然だろう。もう自分は中高年というよりも、雇用の
対象としては老年の範疇に入っているのだ。出来る仕事は少なく
その年齢帯でのパート仕事は女性が優先されている。
 正念場の2年生に出来る事は少ない。考えを転換するしかない。
今日は気分転換に無料の交響楽コンサートに行って、マンション
管理人のパートの面接だ。

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吹く

 雨になって気分も晴れない。カラオケルームでトランペット
を吹くことにした。地元にいくつもあるが、カラオケ館という
チェーン店がいくつもあって会員になれば30分40円。
早速200円払って会員になった。2時間やって、利用料は160
円プラス飲み物代だから500円程度で思いきり音が出せる。
 家ではミュートを付けてしか吹けないので、指運びの練習に
しかならないけど、やっぱりちゃんと音を出さないと駄目だ。
やっぱり吹奏楽器というのは気持ちが良い。安かったけど、Tp
けっこう良い音が鳴るトランペットだった。
サックスが人の声に近い音が出るということを聞いたように思
うが、私は何故かトランペットのサウンドが好きだ。溌溂とし
ているなかにも哀愁があるところが好きなのだ。
リード楽器と違って、吹く人の唇の振動を増幅させているだけ
なので、その音には微妙な個性が反映していると思う。
勿論楽器自体の特徴もあるし様々な要素が音に表れるけど。 
 一人、カラオケルームで吹くと2時間はあっという間だ。
気が高揚して、或る意味ハイになってゆく。
時々瞑想をするけど、瞑想の最中の感覚に近いのだ。
トランペットに限らず吹奏楽器の演奏や歌う行為での、息を
吸って吐くことは気功に通じるような気がする。気を取り込
んで送り出す行為そのものだからではないだろうか。
唇が痺れてゆくような感覚もある。これで指がスラスラと自
動筆記のように動いてくれれば最高だろう。

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立ち枯れじゃなく、立ち上がろう!

 やっぱりボンボン鳩君は尻尾を巻いた。当初から民主党の
役割は自民党独裁を変えることだけにしかなかったのだから
まあ良いか。とも言っていられない。
さてそこで、今、本当に最優先課題として必要なのは事業仕
分けでもなく、国会議員の定数削減だ。民主党もこれを掲げ
ながら手を付けられずに、というか手を出さないままに放っ
てきた事項だ。事業仕分けなどの前にやるべきことはこれだ。
自ら襟を正せ!最終的には半減。少なくとも2/3には減らす
べきで、こんなに沢山の馬鹿議員を抱える程に、この国に余
裕は無い。だからまたタレント頼みの選挙戦術が浮上する。
 そして普天間問題で話題に上っている根幹の日米安全保証
条約だ。1960年以後、’70年からは自動延長になって
しまっているが、これは一年ごとに一方的に破棄が可能なの
だ! 沖縄の民意が高揚している今こそ、私の個人意見では
日米安保の破棄に適したチャンスは無い。
この際破棄してアメリカの植民支配を逃れるべきだ。こんな
国が前例にあったからこそ、アメリカによるイラクの占領が
あったと思う。
日本は「アメリカの庇護」という呪縛、植民地状況を脱して
独自に平和路線を歩み、自衛隊を解散して軍隊の無い国へと
歩を進めるべきだ。自衛隊は緊急人道支援部隊として国内外
の人災や天災へのマンパワー支援隊として存続。一切の兵器
を廃棄する。
 私はこの3点のみでこの国の未来に望みを賭けたい。
もう黙っている訳にはいかないような状況になってしまった。
ヤワな「みんなの党」のようにではなく、ネットで国民運動
を立ち上げることはできないだろうか。
どなたかアドバイスと意見があればお願いします。もういい
加減に黙ってはおれないのです。

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プチ贅沢と栗良平

 地元の商店街でラーメン屋の支店の開店案内チラシを配っ
ていた。私鉄とJRが交差する街は、狭い地域に結構な繁華街
になっていてラーメン屋が乱立している。有名店の支店も数
店あるし、地元の名店もあってラーメン屋の競合地区になっ
ているのだ。
 開店キャンペーンで6日間はラーメンが300円だそうだ。
ネットで調べたら、横浜家系に近い豚骨醤油系の店だとか。
あっさりが好みの私としては体調の良い時しか食べたくない
種類だけど、折角だから期間中に一度は行っておくかと考え
た。金曜日に開店したので、週末にあたる最初の3日間は混
むに違いない。試しに店の前を通ったら案の定行列ができて
いた。ラーメンオタクというのはかなりの人口なのだろう。
あの手のラーメンを並んでまで食べてみる気は私には無い。
 しかし最近のこだわりラーメンは値段が高すぎる。平均は
800円くらいじゃないだろうか。確かに手間ひま掛けている
だろうし、出汁の原材料に贅沢な食材を使っていたりするも
のは、それくらいの値段にしないと採算が取れないだろう。
街でいくつものラーメン屋が1年もしないうちに店をたたむ
姿を見てきたし、一時自分もアフリカ料理屋をやっていたの
で飲食店の難しさは少しは解る。
開店当初やテレビなどで知らされると一時的に盛況する。
そんな状態が継続すれば良いが、人気が続かないと店を開け
ておくだけ損失がかさむ事になる。
 それはとにかく、巷のラーメンブームを考えると、客にと
っての小さな贅沢なのかなと思う。そういえば以前『一杯の
かけそば』という話が流行ったらしいことを思い出した。
当時、私はアフリカに暮らしていたけれど、『一杯のかけそ
ば』というのが日本で話題になっているらしいという事だけ
は伝え知っていた。その内容と展開は帰国後になってようや
く判った。栗 良平という児童文学作家が1989年に発表し
た寓話的な短編小説が原作で、1992年には映画化された。
原作を読んでいないし映画も見ていないが、粗筋から判断す
ると非常に陳腐で教条的な話のようだ。バブル期の最後に世
に出て、バブルが弾けた頃に映画が公開されたというのも皮
肉だろうか。
あの話は、この2010年という時代では格差社会のカリカチ
ュアライズされた縮図と読まれるのかもしれない。
 しかし、今、こだわりラーメンに行列を作る人と、バブル
の終末期に話題となった「一杯のかけそば」の親子の姿には
通じるものがあると感じている。
ちなみに作者の栗 良平は私と同世代だ。作家としては成功
せず、原作が日の目を見た後も放浪生活のあげく詐欺師まが
いの行状を続けて、今も行方知れずになっているらしい。
色々と考えさせるなあ。

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トランペット

Trumpet  前に一念発起してトランペットを習った。地元の楽器店
の教室に通い、中古品だがアメリカ、Bach製の良い楽器も
月賦で手に入れて、1年半くらい練習した。
初心者4人のグループレッスンだったのが、日によっては
欠席者が出たり、やがて一人ずつ抜けて行くなどあって、
最後は殆ど私一人の個人レッスン状態になった。
技術は少しずつ上達したが、一人でやっていても面白味が
なくなってアマチュアのビッグバンドに潜り込めないかと
ネットで探したグループの練習を見に行ったりした。でも
ブラスバンドなどの経験がないのでスコアが読めない。
どこでどう入ったらいいのかサッパリ分からないし、長年
やっている経験者たちのなかではついていけなかった。
そのうちサラリーマン仕事に就いて忙しくなってしまい、
その後トランペットは事情があって娘の学費の一部に変わ
って手放してしまった。
 今年、久しぶりにまとまった仕事をしてけっこうな収入
があった。たぶんもうテレビの仕事はこれで最後だ。
自分へのご褒美、最後の贅沢として記念にトランペットを
買う事にした。もう昔のような高級品を買う余裕は無いし
どれほど鳴らす機会を作れるかわからないので新品の廉価
品を探した。自分のマウスピースを持って行って店頭で吹
いてみて決めた。BachじゃないがHollywood  Windsと
いうアメリカの会社の台湾製モデルで我慢した。
練習はカラオケルームに、歌わずにひたすら吹くのだ。

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「散歩もの」

 久しぶりに新宿、紀伊国屋書店に行った。
いつも覗く1Fの隅にあるノンフィクションやエッセイの
コーナー。店員の選択センスが良いのだ。今回も、おう
こんな本があったのか…と目に付いたのが「散歩もの」
原作が知り合いの久住昌之さんで、画は谷口ジローとい
う組み合わせの漫画の文庫本だ。文庫化されたのは200
9年10月だが単行本は2006年刊行。元は季刊の通販生活
という雑誌に2000年から2年間8回に渉って掲載されたの
だという。知らなかった。
 久住さんは以前、アフリカを毎年訪ねる出版業界の人た
ちのグループに参加していたので、私も面識がある。
漫画家、イラストレーターだと思っていたらエッセイでも
あちこちで見かけ、なかなか面白いのだ。漫画の原作も手
がけていたとは知らなかった。ちなみにバンド活動もして
いて、CDも出している多彩な人だ。
 で、「散歩もの」が素晴らしかった。短編小説です。
漫画という表現方法だからこそ可能な、人の暮らしのエッ
センス。裏表紙に“エッセイ風コミック”ってあるけど、風
じゃなくエッセイそのものです。
これに先駆けて同じコンビの「孤独のグルメ」というのも
文庫化されていて、なんと“10万部突破”と帯にPhoto ある。
放送メディアがもたもたしている今、出版界にはこんな良
質の「作品」を生み出す土壌が残っている。
 そういえば最近のテレビドラマや映画の多くが、原作を
コミックに負っているという事実がある。これもまた映像
化されるんじゃないか?そこそこの翻案で形になるだろう。

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